収入保障保険とは、一定の保険期間内に被保険者が死亡した場合、その後、契約時に定めた満期まで遺族が年金形式で保険金を受け取る死亡保険です。
名前に「収入保障」とありますが、病気やケガで働けなくなった本人の収入を補う「就業不能保障保険」とは目的が異なります。
収入保障保険を検討するときは、「入った方がよいか」を先に決めるのではなく、自分に万一のことがあったとき、家族のお金がいくら不足するのかを確認することが大切です。その不足額と必要な期間によっては、収入保障保険ではなく一時金型の死亡保険や、追加の保険を持たない選択肢が合うこともあります。
この記事の結論
・長期間の生活費が毎月不足するなら、収入保障保険は有力な選択肢です。
・公的保障、配偶者の収入、貯蓄、既契約で不足がなければ、追加の死亡保障は不要な場合があります。
・必要なのが数十万~数百万円程度の一時金なら、少額短期保険の死亡保険も選択肢になります。
1.収入保障保険とは
収入保障保険は、死亡後の遺族の生活費などを一定期間支えるための死亡保険です。一定の保険期間内に死亡した場合、その後、契約時に定めた満期まで年金を受け取る仕組みが基本です。
生命保険文化センターでは、死亡する時期によって年金を受け取れる回数が変わり、2年・5年などの最低保証期間が設けられている商品があると説明しています。また、一般的な収入保障保険には満期保険金がありません。
※出典:公益財団法人 生命保険文化センター「収入保障保険」
出典を確認する
「働けなくなったときの保険」ではない
「収入保障」という名前から、病気やケガで働けなくなった本人の収入を補う保険だと思われることがあります。しかし、一般的な収入保障保険は遺族保障を目的とする死亡保険です。
病気やケガで所定の就業不能状態になった本人への保障を求める場合は、就業不能保障保険などを比較しましょう。
※出典:公益財団法人 生命保険文化センター「就業不能保障保険」
出典を確認する
2.収入保障保険の仕組み
収入保障保険では、死亡した時期が遅くなるほど、満期までの残り期間が短くなるため、一般的に受取総額も少なくなります。
たとえば、60歳満了で毎月10万円を受け取る契約を想定すると、単純計算では次のようになります。
| 死亡した年齢 | 満期までの期間 | 月10万円の場合の単純計算 |
|---|---|---|
| 40歳 | 約20年 | 約2,400万円 |
| 50歳 | 約10年 | 約1,200万円 |
| 58歳 | 約2年 | 約240万円 |
※仕組みを説明するための単純計算です。実際の商品では最低保証期間、支払事由、受取方法などにより異なります。
保障額が減るのは「損」なの?
一概に損とはいえません。子どもが成長するなどして、これから必要になる生活費・教育費の残り期間も短くなるためです。
必要保障額が時間とともに減っていく家庭では、その変化に合わせやすいことが収入保障保険の特徴です。
3.定期保険・終身保険・就業不能保障保険との違い
保険の名前ではなく、「何のお金に備えたいか」で選ぶことが重要です。死亡後の生活費を毎月補いたいのか、まとまった一時金を残したいのか、本人が働けない期間に備えたいのかで候補は変わります。
| 保険の種類 | 主に備えるもの | 一般的な受取方法 | 向きやすい目的 |
|---|---|---|---|
| 収入保障保険 | 死亡後の遺族保障 | 年金形式 | 一定期間の毎月の生活費 |
| 定期保険 | 一定期間の死亡保障 | 一時金 | 教育費などまとまった資金 |
| 終身保険 | 一生涯の死亡保障 | 一時金 | 一生涯残したい死亡保障 |
| 就業不能保障保険 | 所定の就業不能状態 | 月払い・年金・一時金など | 本人が働けない間の生活費 |
※出典:公益財団法人 生命保険文化センター「万一の際に備える生命保険には、どんな種類がある?」
出典を確認する
4.収入保障保険のメリット
必要保障額の減少に合わせやすい
子どもの独立が近づくなど、時間の経過とともに必要な死亡保障が小さくなる家庭では、受取総額が逓減する収入保障保険の仕組みと合わせやすくなります。
遺族の生活費として管理しやすい
一度に大きな保険金を受け取るのではなく、定期的に受け取ることで、毎月の生活費として管理しやすい点も特徴です。
商品によっては保険料を抑えやすい
生命保険文化センターでは、収入保障保険には解約返戻金が少ない、またはないタイプが多く、一般的に保険料が割安になると説明しています。
ただし、収入保障保険なら必ず他の死亡保険より安いわけではありません。年齢、保障額、保障期間、健康状態、商品によって異なるため、実際の条件で比較しましょう。
5.収入保障保険のデメリット
保険期間の後半ほど受取総額が小さくなる
満期に近づくほど残りの受取期間が短くなるため、「いつ亡くなっても同じ金額を残したい」という目的には合わない場合があります。
貯蓄目的には向きにくい
一般的な収入保障保険には満期保険金がなく、解約返戻金が少ない、またはないタイプもあります。資産形成も同時にしたい場合は、保障と貯蓄を分けて考える必要があります。
本人が働けない場合の収入減とは別に考える必要がある
死亡ではなく、病気やケガで働けないことが心配なら、就業不能保障など別の選択肢を確認しましょう。
6.収入保障保険が向いている人・必要性が低い人
「子どもがいるから必要」「共働きだから不要」と属性だけで決めるのではなく、死亡後の家計に不足が生じるかで判断します。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| 小さな子どもがおり、今後長期間の生活費が必要 | 収入保障保険を検討しやすい |
| 自分の収入が家計の大部分を占めている | 死亡後の不足額を確認したい |
| 配偶者の収入だけでは生活費が不足する | 不足が続く期間に合わせて死亡保障を検討 |
| 十分な金融資産や既存の死亡保障がある | 追加保障が不要な場合がある |
| 扶養する家族がおらず、大きな生活保障が不要 | 収入保障保険の必要性は低い場合がある |
| 必要なのが葬儀費用・整理費用などの一時金のみ | 一時金型の死亡保険も比較 |
7.自分に必要な死亡保障額を考える方法
必要保障額は、「将来必要な支出」から「公的保障・家族の収入・資産など」を差し引いた不足額で考えます。
将来必要になるお金
-
遺族年金・配偶者の収入・貯蓄・既存保障など
=
民間保険で補うことを検討する不足額
生命保険文化センターでは、遺族保障の必要額は家族構成、現在の収入、資産状況、子どもの年齢などにより異なり、「支出見込額-収入見込額」の不足分を必要保障額の目安とする「必要保障額積み上げ方式」を紹介しています。
※出典:公益財団法人 生命保険文化センター「万一の際に必要な保障額の算出方法と具体例」
出典を確認する
① 死亡後に必要なお金を整理する
遺された家族の生活費、子どもの教育費、住居費、葬儀・整理費用などを整理します。平均額をそのまま自分の必要額にするのではなく、現在の家計を基準にしましょう。
② 遺族年金などの公的保障を確認する
民間保険を考える前に、公的保障を確認します。日本年金機構によると、2026年度の遺族基礎年金は、対象となる「子のある配偶者」のうち昭和31年4月2日以後生まれの場合、年額847,300円に子の加算額を加えた金額です。1人目・2人目の子の加算額はそれぞれ年243,800円です。
会社員など厚生年金に加入している人の遺族は、要件を満たせば遺族厚生年金を受給できる場合があり、年金額は原則として死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3をもとに計算されます。
※受給には要件があります。世帯によって受給可否・金額は異なります。
出典:日本年金機構「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」
遺族基礎年金を確認する /
遺族厚生年金を確認する
③ 貯蓄・既存の死亡保障も含めて考える
預貯金や金融資産、死亡退職金、すでに加入している死亡保険などがあれば、それも万一の際の資金になります。
公的保障・収入・資産・既存保障で不足がなければ、保険を追加しないことも選択肢です。
④ 「いくら」だけでなく「いつまで必要か」を決める
収入保障保険では保障期間も重要です。子どもの独立、配偶者の年金受給開始、定年など、「家族を経済的に支える必要がある時期」を目安に考えましょう。
8.ケース別|自分の場合はどう考える?
同じ家族構成でも、収入・資産・公的保障によって結論は変わります。以下は判断の考え方を示す例で、特定の保障額を推奨するものではありません。
9.簡易チェック|どんな死亡保障が合う?
次の順番で考えると、「収入保障保険が必要か」「別の備え方がよいか」を整理しやすくなります。
Q1.自分が死亡すると、家族の収入が大きく減りますか?
YES → Q2へ。
Q2.遺族年金・家族の収入・貯蓄・既存保障だけで、その後の生活費をまかなえますか?
NO → Q3へ。
Q3.不足するのは、長期間にわたる毎月の生活費ですか?
NO → Q4へ。
Q4.葬儀・整理費用・当面の生活費など、一定額を一時金で準備したいですか?
10.少額の死亡保障なら少額短期保険も選択肢
死亡後の生活費を長期間すべて補う必要はないものの、一定額の死亡保障を追加したい場合は、少額短期保険の商品も選択肢の一つです。
少額短期保険とは
金融庁によると、少額短期保険業は、一定の事業規模の範囲で「少額かつ短期」の保険のみを引き受ける事業です。少額短期保険業者は財務局への登録が必要で、保険募集や情報開示などのルールが設けられています。
制度上、生命保険・医療保険の保険期間は1年、疾病による死亡・重度障害の保険金額は1人の被保険者につき300万円が上限です。また、保険会社にある公的セーフティネットは少額短期保険業者にはありませんが、保証金の供託制度があります。
※出典:金融庁「少額短期保険業制度について」(2026年8月6日更新)
出典を確認する
少額短期保険が候補になりやすいケース
公的保障・貯蓄・既存保障を差し引くと、不足額が比較的小さい
葬儀・整理費用など、まとまった一時金を残したい
既存の死亡保障に少額を上乗せしたい
長期間の給与代替ではなく、死亡直後の一時的な資金を準備したい
少額短期保険だけでは不足しやすいケース
小さな子どもの生活費・教育費を長期間残す必要があるなど、必要保障額が数百万円を大きく超える場合は、収入保障保険や定期保険などを優先して比較してください。少額短期保険を唯一の解決策として考える必要はありません。
11.プラス少額短期保険で死亡保障を備える場合
ここからの商品紹介は、「収入保障保険そのもの」を探している方ではなく、必要保障額を確認した結果、少額の死亡保障を一時金で備えたい方に向けた選択肢です。
収入保障保険と、プラス少額短期保険の死亡保険「家族への思いやり」は同じ商品種類ではありません。
長期間の毎月の生活費を補いたい → 収入保障保険等を比較
数十万~数百万円程度を一時金で備えたい → 少額の死亡保険も比較
死亡保険「家族への思いやり」
プラス少額短期保険の「家族への思いやり」は、万一の際に少額から備えられる1年更新型の死亡保険です。
- 初回契約は満20歳~89歳
- 最長99歳まで更新可能
- 死亡保険金は50万円・100万円・150万円・200万円・250万円・300万円の6コース
- 保険料は月々1,000円台からの続けやすい料金設計
- 1年ごとに契約期間が満了する掛け捨て型
- 保険料は5歳刻み(90歳以降は1歳刻み)で変動
「自分の不足額なら、この保障額で足りそう」と判断できたら、次は実際の保険料が家計に合うかを確認しましょう。加入を決める前の比較材料として、生年月日・性別から保険料を確認できます。
保険料をシミュレーションする保障額と月々の負担を確認家族への思いやり 緩和型
持病や過去の入院・手術歴などが気になり、通常型への申込みに不安がある方には、引受基準を緩和した「家族への思いやり 緩和型」も選択肢です。
- 4つの少ない告知で申込みを検討できる引受基準緩和型死亡保険
- 初回契約は満20歳~89歳
- 最長99歳まで更新可能
また、健康状態について詳しく告知することで通常型を検討できる場合は、通常型もあわせて確認しましょう。
すぐに申込みを決めず、商品資料を手元に取り寄せてじっくり検討したい方は資料請求を利用できます。通常型・緩和型を含め、希望商品を選んで請求できます。
無料で資料を請求する家族と相談しながら比較したい方へ12.収入保障保険についてよくある質問
収入保障保険は働けなくなったときにも受け取れますか?
一般的な収入保障保険は死亡後の遺族保障を目的とする保険です。本人が病気やケガで働けない状態に備えたい場合は、就業不能保障保険などを確認しましょう。
保障総額が年々減るなら損ではないですか?
一概に損とはいえません。子どもの成長などで将来必要な生活費の残り期間も短くなるため、必要保障額が減る家庭では収入保障保険の仕組みと合わせやすくなります。
遺族年金があるなら収入保障保険はいりませんか?
遺族年金だけで足りるかは世帯によって異なります。遺族年金、家族の収入、貯蓄、既存保険などを差し引いても不足する場合に、民間保険で補うことを検討します。
共働きなら収入保障保険は不要ですか?
共働きという理由だけでは判断できません。一方が死亡した後、残った収入と公的保障・資産で生活費や教育費をまかなえるかを確認しましょう。
収入保障保険はいくらにすればよいですか?
平均額ではなく、「将来必要な支出-公的保障・配偶者収入・貯蓄・既存保障等」の不足額から考えます。毎月いくら不足し、それがいつまで続くかを確認することが大切です。
収入保障保険の保険金には税金がかかりますか?
死亡保険金の税金は、被保険者・保険料負担者・受取人の関係や受取方法によって、所得税・相続税・贈与税など課税関係が異なります。年金形式で受け取る場合にも課税関係が生じるため、具体的な契約については国税庁・税務署・税理士等にご確認ください。
※出典:国税庁「死亡保険金を受け取ったとき」「相続等により取得した年金受給権に係る生命保険契約等に基づく年金の課税関係」
死亡保険金の課税関係を確認する
少額短期保険と収入保障保険は同じですか?
同じではありません。「収入保障保険」は保険商品の種類を表す名称です。一方、「少額短期保険」は少額・短期の保険を取り扱う制度・事業者区分です。
「家族への思いやり」は収入保障保険ですか?
いいえ。「家族への思いやり」は死亡保険金を一時金として備える死亡保険で、収入保障保険そのものではありません。長期間の生活費を年金形式で準備したい場合は収入保障保険などを比較し、少額の一時金を追加したい場合に「家族への思いやり」を選択肢としてご検討ください。
13.まとめ|収入保障保険は「自分の不足額」から考える
収入保障保険とは、一定の保険期間内に死亡した場合、満期まで遺族が年金形式で保険金を受け取る死亡保険です。
大切なのは、収入保障保険に入ることを先に決めるのではなく、死亡後の家計で何が・いくら・いつまで不足するのかを確認することです。
公的保障、家族の収入、貯蓄、既存保障を差し引いても長期間の生活費が不足するなら、収入保障保険などを比較します。一方、必要なのが数十万~数百万円程度の一時金なら、少額短期保険の死亡保険も選択肢になります。
少額の死亡保障が自分の不足額に合う場合は、まず保険料を確認して、保障額とのバランスを比べてみてください。
保険料をシミュレーションする加入を決める前の比較材料に手元でじっくり商品を確認し、ご家族と相談しながら検討したい方は無料の資料請求をご利用いただけます。
無料で資料を請求するじっくり比較したい方へPS202609A-13-01





