「専業主婦には収入がないから、生命保険はいらないのでは?」と考える方は少なくありません。
たしかに、家族の生活費を主に支えている方と同じような高額の死亡保障が必要とは限りません。一方で、万が一のときには、葬儀費用だけでなく、家事・育児を代わってもらう費用や、配偶者が仕事を減らすことによる収入減が生じる場合があります。
結論からお伝えすると、専業主婦に生命保険が必要かどうかは、収入の有無ではなく「万が一の後に不足するお金があるか」で判断します。
この記事のポイント
専業主婦には基本的には給与収入がないため、「亡くなっても世帯収入は減らない」と考えられがちです。
しかし、家事や育児、家族の通院付き添い、親の介護など、日々の生活を支える役割までなくなるわけではありません。これらを外部サービスや他の家族が担うと、費用や時間の負担が発生します。
そのため、判断するときは「収入があるか」ではなく、次の順番で考えると良いです。
計算結果が0円以下なら、死亡保険を増やす必要性は低いです。反対に不足が出るなら、その不足分を預貯金や生命保険で準備する方法があります。
家事・育児は、家計を支える大きな役割です
妻 7時間28分/夫 1時間54分
6歳未満の子どもがいる夫婦と子どもの世帯における、1日当たりの家事関連時間(2021年・週全体平均)
この数字は専業主婦だけを対象にしたものではありませんが、妻が担う家事・育児等の時間が大きい家庭が多いことを示しています。万が一の際には、家事代行、保育、親族の応援、配偶者の働き方変更などを組み合わせる必要があります。
※出典:総務省統計局「令和3年社会生活基本調査」
一般に「生命保険」という言葉は、死亡保険、医療保険、がん保険などを広く含む意味でも使われます。
今回の記事で中心に扱うのは、専業主婦本人が亡くなった場合に、家族が受け取る死亡保険です。入院費への備えとは目的が異なるため、分けて考えると判断しやすくなります。
| 備えたいこと | 主な保険 | 確認するポイント |
|---|---|---|
| 亡くなった後の葬儀費用、家事・育児の代替費用 | 死亡保険 | 死亡保険金額、保障期間、更新時の保険料 |
| 病気やケガで入院したときの自己負担 | 医療保険・入院一時金特約 | 支払条件、一時金・日額、対象となる入院 |
| がん治療の費用 | がん保険 | 診断一時金、治療給付、対象となるがん |
「専業主婦におすすめの生命保険」を考える場合も、最初に「何の費用が不足するのか」を決め、その目的に合う保障だけを選ぶことが大切です。
専業主婦の死亡保障が不要、または少額でよいといわれる主な理由は次のとおりです。
家計を支える配偶者が働き続けられる場合、専業主婦本人の死亡による給与収入の減少はありません。そのため、主な稼ぎ手と同額の死亡保障を用意する必要性は通常高くありません。
葬儀費用や身の回りの整理費用を、使い道を決めた預貯金で十分に準備できていれば、生命保険を使わない選択もできます。
子どもの送迎、食事の用意、家事などを親族が継続して支援できる家庭では、外部サービスに支払う費用が少なくなる可能性があります。
死亡保障の必要性が低い例
改めて不足額を確認したい例
「不要」と「まったく備えない」は同じではありません。
死亡保険を持たない場合も、葬儀費用や家事の代替費用をどの預貯金から出すか、誰が家事や育児を担うかを家族で決めておくことが大切です。
保育、送迎、食事、洗濯、学校行事への対応などを外部サービスや配偶者が担う必要があります。配偶者が勤務時間を減らす場合、サービス費用と収入減が同時に発生する可能性があります。
葬儀費用は規模によって差があります。公的調査では、50万円未満が24%、50万円以上100万円未満が34%で、100万円未満が全体の約6割を占めています。一方、100万円以上200万円未満も35%あります。
葬儀費用は家庭によって幅があります
100万円未満:58%
費用規模別の年間葬儀取扱件数(50万円未満24%+50万~100万円未満34%)
平均額だけでなく、希望する葬儀の形式、火葬・式場・飲食等の範囲を確認し、別途必要になるお布施や遺品整理費用なども含めて準備しましょう。
※出典:総務省・経済産業省「2020年経済構造実態調査報告書 二次集計結果(乙調査編)結婚式場業、葬儀業、冠婚葬祭互助会」
近くに頼れる方がいない場合、家事代行、ベビーシッター、配食、送迎などを利用する可能性があります。利用期間が長いほど、合計費用も増えます。
配偶者が時短勤務や休職を選ぶと、収入が減る可能性があります。外部サービスに任せる費用だけでなく、配偶者の手取り減少も確認します。
子どもが独立している場合、育児費用への備えは小さくなります。一方で、葬儀費用、遺品整理、住まいの片付け、当面の手続費用などを「自分のための準備」として残したい方もいます。
高額な死亡保障ではなく、必要な費用の一部を少額で備える考え方が合う場合があります。
不足がありそうだと感じた方へ
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年齢と性別から、保障額ごとの保険料を資料で確認できます。今すぐ加入を決める必要はありません。
「他の家庭はいくら備えているか」は、保障額を考えるときの参考になります。ただし、専業主婦だけに限定した最新の平均保険料・平均保障額は、公開データが限られています。
生命保険文化センターの2024年度調査では、2人以上世帯における配偶者の普通死亡保険金額は、全生保で平均691万円となっています。
ただし、この数字には専業主婦だけでなく、共働きの配偶者なども含まれます。また、複数の生命保険を合計した金額です。専業主婦の必要保障額として、そのまま691万円を用意すべきという意味ではありません。
平均691万円
2人以上世帯における配偶者の普通死亡保険金額(全生保)
※出典:公益財団法人 生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」
世帯全体の年間払込保険料には、夫婦それぞれの死亡保険、医療保険、個人年金保険などが含まれることがあります。そのため、世帯平均を12で割って専業主婦本人の月額目安にするのは適切ではありません。
保険料は、年齢、保障額、健康状態、保険期間、特約などで変わります。平均額ではなく、希望する保障を決めたうえで、ご自身の年齢でシミュレーションする方が正確です。
平均は「答え」ではなく「参考」です。
必要額が150万円の家庭に691万円の保障を用意すれば、保険料を払いすぎる可能性があります。反対に、小さな子どもがいて多くの代替費用が発生する家庭では、平均額では不足することもあります。
専業主婦の生命保険金額は、次の3ステップで整理できます。
以下は考え方を示すための例です。実際の費用や期間は、ご家庭によって異なります。
| 家庭の例 | 想定する費用 | 準備済みのお金 | 不足額の例 |
|---|---|---|---|
| 未就学児がいる | 葬儀100万円+家事・育児支援120万円+収入減30万円 | 専用貯蓄50万円 | 200万円 |
| 子どもが独立した60代 | 葬儀100万円+遺品整理30万円+手続費用20万円 | 専用貯蓄50万円 | 100万円 |
| 葬儀費用を十分に貯蓄済み | 葬儀100万円+整理費用20万円 | 専用貯蓄150万円 | 0円 |
※上表は必要保障額の考え方を示す当社作成の例であり、実際に必要となる費用や保険金額を示すものではありません。
| ライフステージ | 主に確認する負担 | 保障の考え方 |
|---|---|---|
| 子どもがいない夫婦 | 葬儀、住まい・家事の立て直し | 葬儀用貯蓄と重複しない範囲で不足分を準備 |
| 未就学児・小学生がいる | 保育、送迎、家事代行、配偶者の時短による収入減 | 必要期間を決め、子どもの成長に合わせて見直す |
| 中高生・大学生がいる | 家事負担、配偶者の働き方、教育生活の維持 | 育児代替費用が減る一方、家計状況を確認 |
| 50代・子どもが独立 | 葬儀、遺品整理、親の介護を誰が引き継ぐか | 高額保障より、目的を絞った少額保障を検討 |
| 60代以上 | 葬儀、住まいの整理、家族に残したい当面資金 | 貯蓄との重複、更新年齢、将来の保険料を確認 |
特に50代・60代以上では、「子育てのための大きな保障」から「自分の葬儀や整理費用のための必要な保障」へ目的が変わることがあります。
専業主婦本人が亡くなったときに必要となる一時的な費用を準備するなら、死亡保険が選択肢になります。
選ぶときは、保障額だけでなく、保険期間、更新時の保険料、告知、受取人、支払条件を確認してください。
病気やケガで入院したときの費用を心配している場合は、医療保険や入院一時金特約の役割です。死亡保険を大きくしても、入院中の費用が支払われるとは限りません。
子どもが独立した、葬儀用の貯蓄が増えた、親族から支援を受けられるようになったなど、状況が変われば必要保障額も変わります。加入後も定期的に見直しましょう。
「高額な死亡保障は必要ないが、葬儀費用や家族の負担に備えて少し残したい」と感じた方には、少額から備える死亡保険という方法があります。
その保険がプラス少額短期保険の「家族への思いやり」です。この保険は、保険料月々1,000円台からの家計にやさしい金額から、最大300万円の保険金額を受け取れる保険の対象となる方が亡くなった場合に死亡保険金をお支払いする死亡保険です。
家族への思いやり
大きな保障を持つのではなく、家族に必要な分を少額から備えたい方へ。
死亡保険金として50万円・100万円・150万円・200万円・250万円・300万円の6コースがあり、必要保障額と保険料のバランスを見ながら選べます。
入院への備えも必要な場合は、入院一時金特約を付加することで、病気やケガによる入院1回につき5万円または10万円の一時金を受け取れるプランがあります。
持病がある、通院している、過去に入院・手術をしたなど、通常の死亡保険への申込みに不安がある方には、引受基準を緩和した死亡保険という選択肢があります。
「家族への思いやり 緩和型」は、4つの告知事項で申込みを検討できる引受基準緩和型死亡保険です。ただし、持病があれば必ず加入できるという商品ではなく、告知と審査があります。
家族への思いやり 緩和型
健康状態に不安があり、通常型を検討しにくい方へ。
通常型よりも保険料が割増しされているため、健康状態について詳しく告知することで通常型に申込みできる可能性がある方は、通常型も合わせて確認してください。
専業主婦に生命保険は不要ですか?
一律に不要とはいえません。葬儀費用、家事・育児の代替費用、配偶者の収入減などを貯蓄や家族の支援で賄える場合は、死亡保障の必要性が低くなります。不足が見込まれる場合は、その不足分を備える方法があります。
専業主婦の死亡保険金額はいくらが目安ですか?
平均額ではなく、「必要となる費用-準備済みのお金」で決めます。子どもが小さい家庭では家事・育児の代替費用を含め、子どもが独立した家庭では葬儀や整理費用を中心に考えます。
専業主婦の生命保険料は夫が支払ってもよいですか?
家計から夫が支払うことは可能です。国税庁は、妻名義の契約でも、夫が実際に保険料を支払ったことを明らかにでき、受取人等の要件を満たす場合は、夫の生命保険料控除の対象になり得ると案内しています。ただし、契約者、保険料負担者、受取人の組み合わせによって、将来の保険金にかかる税金が変わる場合があります。
※出典:国税庁「妻名義の生命保険料控除証明書に基づく生命保険料控除」
パートを始めたら保障を見直すべきですか?
パート収入が家計に占める割合が大きい場合は、亡くなった後の収入減も考慮します。一方、子どもの成長で家事・育児の代替費用が減ることもあるため、収入だけでなく家族全体の変化を確認してください。
医療保険と死亡保険はどちらを優先すべきですか?
目的が異なります。亡くなった後の家族の費用に備えるのが死亡保険、入院や治療中の費用に備えるのが医療保険です。まず家計への影響が大きい方から、不足額を確認します。
持病があっても死亡保険に申し込めますか?
引受基準緩和型の死亡保険を検討できる場合があります。ただし、告知と審査があり、加入をお約束するものではありません。通常型に申込みできる可能性もあるため、両方の条件と保険料を確認してください。
専業主婦に生命保険が必要かどうかは、「収入がないから不要」「他の家庭が加入しているから必要」といった一つの理由では決められません。
まず、万が一の後に必要となる葬儀費用、家事・育児の代替費用、配偶者の収入減を整理します。そこから貯蓄や家族の支援で賄える金額を差し引き、不足があれば、その分を備えます。
子育て中は家事・育児の代替費用を厚めに、子どもが独立した50代・60代以上は葬儀や身の回りの整理費用を中心に考えると、必要額を絞りやすくなります。
プラス少額短期保険の「家族への思いやり」は、50万円から300万円までの死亡保障を選べます。まずはご自身の年齢で保険料を確認し、貯蓄とのバランスを見ながら、ご家族で検討してください。
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